ビル管理士試験 2023年 問120 問題と解説

　問 題　　　　　

給湯設備の循環ポンプに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. ポンプは、背圧に耐えるものを選定する。
2. ポンプの循環流量は、加熱装置における給湯温度と返湯温度との温度差に比例する。
3. ポンプの揚程は、循環管路系で最も大きくなる管路における摩擦抵抗・局部抵抗による圧力損失から決定する。
4. ポンプには、接液部をステンレス鋼製としたものが多く使用されている。
5. ポンプで脈動による騒音・振動が発生した場合の対応として、ポンプの吐出し側にサイレンサなどを設置する。

　解 説　　　　　

(2)に関して、給湯循環ポンプの循環流量は、循環配管系などからの熱損失及び加熱装置における給湯温度と返湯温度の温度差より算定します。これは、次に示す式で表すことができます。

• Q：循環流量 [L/min]
• H_L：循環配管からの熱損失 [W]
• Δt：加熱装置における給湯温度と返湯温度との差 [℃]

係数(0.0143)を覚える必要はありませんが、上式より、「循環流量Q」は、「循環配管からの熱損失H_L」に比例し、また、「加熱装置における給湯温度と返湯温度との差Δt」に反比例することがわかります。

よって、(2)の「比例」が誤りで、正しくは「反比例」となります。