ビル管理士試験 2023年 問119 問題と解説

 問 題     

給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 密閉式膨張水槽を設ける場合には、逃し弁も設ける。
  2. 加熱装置から逃し管を立ち上げる場合は、水を供給する高置水槽の水面よりも高く立ち上げる。
  3. 給湯量を均等に循環させるため、返湯管に定流量弁を設ける。
  4. SUS444製の貯湯槽は、腐食を防止するために電気防食を施す。
  5. 配管内の空気や水が容易に抜けるように、凹凸配管とはしない。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

(1)は正しいです。密閉式膨張水槽を設ける場合には、逃し弁も設けなければいけません。これは、水槽内の圧力が必要以上に高くなったときに水槽を破損させないための安全装置です。

(2)も正しいです。加熱装置から逃し管を立ち上げる場合は、水を供給する高置水槽の水面よりも高く立ち上げます。仮に逃し管が低かった場合、給水された水が(異常時でもないのに)どんどん逃し管から流れ出してしまうことになります。

(3)も正しいです。給湯量を均等に循環させるためには、返湯管に定流量弁を設置するのが有効です。

(4)が誤りです。SUSはSteel Use Stainlessの略で、ステンレス鋼のことです。SUS444は特に耐孔食性、耐隙間腐食性に優れているため、貯湯槽にも多用されています。

ただし、SUS444製の貯湯槽で電気防食を行うと、水素が発生して水素脆化が起こりうるので、電気防食を施してはいけません。

(5)は正しいです。凹凸配管では、凹形の部分に水が溜まったり、凸形の部分に空気が溜まったりします。そのため、配管内の空気や水が容易に抜けるように、凹凸配管を避けるのが望ましいです。

以上から、正解は(4)となります。

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