問 題
光と照明に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 照明器具の不快グレアの程度を表すUGRは、値が大きいほどまぶしさの程度が大きいことを意味する。
- 設計用全天空照度は、快晴よりも薄曇りの方が高い。
- 色温度が高くなると、光色は 青 → 白 → 黄 → 赤 と変わる。
- 演色評価数が100に近い光源ほど、基準光で照らした場合の色に近い色を再現できる。
- 事務所における製図作業においては、文書作成作業よりも高い維持照度が求められる。
解 説
(1)は正しいです。ややマイナーな知識ですが、UGRは不快グレアの程度を表し、数値が高いほどまぶしくて不快であることを示します。また、観測者から見た照明器具の発光部の立体角が大きいほど、UGRの値は大きくなります。
(2)も正しいです。太陽光のうち、直射日光を除いたものを天空光といいます。つまり、光が空気中の塵(ちり)や水蒸気などにぶつかって拡散・反射しながら地表に届くような光のことです。快晴の日は直射日光が優性なので天空光が少なく、薄曇りの日は天空光が多くなります。
ここで、天空光が多いほど設計用全天空照度は高くなるので、設計用全天空照度は、快晴よりも薄曇りの方が高いといえます。
(3)が誤りです。色温度の正しい順番は、低いほうから高いほうへ向けて、光色は「赤 → 黄 → 白 → 青」と変わります。
この順番を正確に覚えておけばもちろん正解できますが、色温度が高いのは青系で、低いのが赤系…と覚えておくだけでも充分だと思います。たとえば、ガスバーナーの赤い炎は温度が低く、青い炎は温度が高いという例と関連付けると覚えやすいかもしれません。
(4)は正しいです。基準光で照らした場合の色をどの程度忠実に再現できるかを判定する指標として、演色評価数が用いられます。基準光を演色評価数100と定めているので、光源が100に近いほど基準光とのずれが小さくなります。
(5)も正しいです。製図作業は設計図を描くなど細かい作業をするため、相応の明るさが必要です。一方、文書作成作業は、ものを読んだり書いたりするのでそこそこの照度が必要ですが、製図作業ほど緻密な作業ではありません。よって、これらを比較すると製図作業のほうが高い維持照度が求められます。
以上から、正解は(3)となります。
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