ビル管理士試験 2022年 問119 問題と解説

 問 題     

給湯設備における加熱装置とその説明との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

  1. ガスマルチ式給湯機:小型のガス瞬間湯沸器を複数台連結したもので、主に業務用に利用される。
  2. 汽水混合装置:タンク内に挿入し、蒸気を直接、水に吹き込むことで温水を得るための装置。
  3. 貯蔵式湯沸器:貯蔵部が大気に開放されており、本体に取り付けられた給湯栓から飲用に適した高温湯が得られる。
  4. ヒートポンプ給湯機:一体型の集熱器と貯湯槽で構成され、その間で水を自然循環させ加温する。
  5. 給湯用貫流ボイラ:温水を取り出す小型ボイラで、水管群により構成され耐圧性に優れている。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

(1)は正しいです。ガスマルチ式給湯機は、小型の瞬間湯沸器を複数台連結してユニット化したもので、主に業務用として用いられます。

(2)も正しいです。「汽」は蒸気のことなので、汽水混合装置は、タンク内で蒸気と水を直接混ぜ合わせることで温水を作ります。

(3)も正しいです。貯蔵式湯沸器は、貯蔵部が大気に開放されていて、本体に取り付けられた給湯栓から90℃以上の飲用に適した高温湯が得られます。

(4)が誤りです。ヒートポンプ給湯機はいわゆるエコキュートと呼ばれるもので、一体型のヒートポンプユニットと貯湯槽で構成されます。

(4)に書かれている「一体型の集熱器と貯湯槽で構成され、その間で水を自然循環させ加温する」というのは、太陽熱利用温水器のことです。太陽熱を利用するためには、必ず集熱器が必要になります。

(5)は正しいです。給湯用貫流ボイラは温水を取り出す小型ボイラで、ドラムを持たず水管群により構成されるのが特徴です。耐圧性に優れていることや小さくて省スペースになるメリットがある一方で、缶水量が少ないために出湯温度が安定しないというデメリットもあります。

以上から、正解は(4)となります。

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