ビル管理士試験 H23年 問52 問題と解説

 問 題     

微粒子が気体中を運動する場合の抵抗力に関する記述のうち、最も適当なものはどれ。

  1. 粒子の抵抗は、粒子の流体に対する相対速度に比例する。
  2. 粒子の抵抗は、レイノルズ数に比例する。
  3. 粒子の抵抗は、粒子の投影面積、流体密度に比例する。
  4. 抵抗係数は、ストークス域ではレイノルズ数に無関係である。
  5. 抵抗係数は、粒子が小さくなると、気体の分子運動の影響を受けない。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

(1)について、粒子の抵抗は、粒子の流体に対する相対速度の2乗に比例します。

(2)について、レイノルズ数とは、慣性力と粘性力との比で表されます。大雑把にいうと、流れやすさの尺度として使われます。この数値が高いほど流れが良く(=抵抗が小さく)、数値が低いほど流れが悪く(=抵抗が高く)なります。

この選択肢の文だと、レイノルズ数が高いと抵抗が高くなるように書いてあるので、これは誤りです。

(4)について、ストークス域とは、レイノルズ数の小さい(2以下)領域です。この領域では、抵抗係数はレイノルズ数に反比例します。

ちなみに、レイノルズ数の大きい(500以上)領域をニュートン域といい、ここでは抵抗係数はレイノルズ数に無関係で、ほぼ定数となります。また、ストークス域とニュートン域の間をアレン域と呼び、抵抗係数はレイノルズ数の平方根に反比例します。

(5)について、粒子が小さいほど、気体の分子運動が無視できなくなってきます。

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