問 題
特殊設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 入浴設備において、気泡発生装置などのエアロゾルを発生させる設備を設置する場合には、空気取入口から土ぼこりが入らないような構造とする。
- プール水の消毒設備には、塩素剤に加えてオゾン消毒や紫外線消毒を併用する例がある。
- 子供が水遊びをする親水施設の用水には、衛生性の確保の面から利用形態によりプール並みの浄化装置が必要となる。
- 食品製造に関する管理システムのHACCP方式は、製造した最終製品を対象に安全確認検査を行う手法である。
- 入浴設備の循環水は、浴槽の底部に近い部分から供給する。
解 説
(1)は正しいです。気泡発生装置は外気を取り込んで気泡を発生させる装置ですが、その空気取入口には、土ぼこりが混入しないような設置位置としたりフィルタを設けたりする必要があります。
(2)も正しいです。一般的なプールでは主に塩素消毒が用いられますが、近年は残留塩素量を抑えたり、水質をより安定的に保つ目的で、オゾン消毒や紫外線(UV)消毒を併用するケースも多く見られます。
(3)も正しいです。子供が水遊びをする親水施設では、子供が直接触れたり口に入れたりするリスクがあり、衛生面への配慮が求められます。そのため、水の循環ろ過や消毒など、プール並みの浄化装置が必要となります。
(4)が誤りです。HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)方式は、食品を製造する工程の各段階で起こりうる危害(Hazard)を分析し、重要管理点(Critical Control Point)を設定して継続的にモニタリング・記録する(Analysis)ことで、最終製品の安全を確保するシステムです。
ポイントは、HACCPが、最終製品を検査するだけの手法ではなく、製造プロセス全体を管理・制御する考え方に重きを置いていることです。そのため、(4)のように「製造した最終製品を対象」と限定するのはHACCPの考え方に反していて、不適当です。
(5)は正しいです。浴槽のお湯はレジオネラ属菌(レジオネラ症の原因菌)が繁殖しやすい温度です。そのため、浴槽で循環水を用いる場合は、誤飲やエアロゾル発生のリスクを下げることが求められます。
もしも循環水が浴槽水面より高い位置から供給されると、水が飛び散って誤飲やエアロゾル発生の危険があるため、この措置は不適切です。反対に、循環水を下部から入れて上部から溢れさせることにより、これらのリスクを減らすことができます。
以上から、正解は(4)となります。
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