ビル管理士試験 2024年 問135 問題と解説

 問 題     

排水管の清掃・維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. スネークワイヤ法は、排水立て管の清掃に使用する場合では、長さ30m程度が限界である。
  2. 排水管の有機性付着物は、アルカリ性洗浄剤を用いて除去する。
  3. 高圧洗浄による排水管の清掃では、5~30MPaの圧力の水を噴射させて洗浄する。
  4. ロッド法では、1~1.8mのロッドをつなぎ合わせ、手動で排水管内に挿入し清掃する。
  5. 排水管内部の腐食状況の診断には、内視鏡以外にX線などの非破壊検査機器が用いられる。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

(1)が誤りです。スネークワイヤ法では、スネークワイヤの長さが25m以下なので、排水横管では「25m」まで、排水立て管ではワイヤの重量も考慮して「20m程度」が限界となります。

今回は排水立て管の話なので、(1)の「30m程度」が誤りで、正しくは「20m程度」となります。

(2)は正しいです。排水管の有機性付着物とは、具体的にはたんぱく質や油脂などのことです。これらはアルカリ性洗浄剤を使うことで分解されたり溶解したりするため、アルカリ性洗浄剤を用いるのが有効です。

一方で、小便器に付着した尿石や、鉄分を含んだ水垢(あか)などの除去には酸性の洗剤が有効です。これは、尿石や水垢には鉄やカルシウムなどの金属塩類が多く含まれていて、それらは酸によって溶かすことができるためです。

(3)も正しいです。排水管の清掃に用いる高圧洗浄法は、5~30MPaの高圧の水を噴射し、排水管内を洗浄します。

(4)も正しいです。ロッド法とは、1~1.8mのロッド(長い棒)を繋ぎ合せて、手動で排水管内に挿入して清掃する方法です。この方法は敷地排水管や雨水敷地排水管の清掃に用います。

(5)も正しいです。排水管内部の詰まり具合や腐食状況は、内視鏡や超音波厚さ計、X線などの非破壊検査機器を使用した方法により確認することができます。

以上から、正解は(1)となります。

コメント