問 題
排水通気設備に関する語句の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 特殊継手排水システム ホテルの客室系統に適用
- 通気弁 寒冷地の集合住宅に適用
- 排水鋼管用可とう継手 排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管の接続
- プールのオーバフロー排水 排水口開放として排水
- 即時排水型ビルピット設備 排水槽の悪臭防止に有効
解 説
(1)は正しいです。特殊継手排水システムは、排水横枝管への接続器具数が比較的少ない集合住宅やホテルの客室系統に多く採用されています。
(2)も正しいです。通気弁は、負圧が生じたときにだけ空気を吸い込む逆止弁構造の通気装置です。寒冷地では、通気管を屋上へ伸ばすと凍結のリスクがあることなどから、寒冷地の集合住宅では通気弁を用いることがあります。
(3)も正しいです。ややマイナーな知識ですが、排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管の接続には、排水鋼管用可とう継手が用いられます。
(4)が誤りです。結論から書くと「排水口開放として排水」が誤りで、正しくは「排水口空間を設けて排水」となります。以下、この違いを詳しく解説します。
排水は給水に比べて汚れた水であることも多いので、排水は基本的に間接排水(排水口と排水管が直接つながっていないもの)とします。直接配管にしてしまうと、水圧のバランスが崩れたときに排水が逆流してしまうおそれがあるからです。
ここで、間接排水には「排水口空間を設ける方法」と「排水口開放する方法」とがあります。
「排水口空間」を設ける方法というのは、排水口と排水管の間に結構な空間(スペース)を取り、逆流させないことはもちろん、排水の跳ね返りなども極力起こらないようにした排水方式です。これはとても衛生的な排水方式といえます。
一方、排水口空間を設けるスペースがない場合には、「排水口開放」とします。これは、排水口と排水管が直接つながってはいないものの、その隙間が少ししかない場合の排水方式です。この方法だと排水の湯気が付着するなどのリスクがあり、排水口空間と比べると不衛生になりやすいです。
よって、飲料用貯水槽や貯湯槽といった、口にする可能性のあるような槽の排水は、排水口空間を設ける方法を取るべきです。一方で、洗濯機など、飲用とは関係ないときの排水は、排水口開放する方法でも構いません(もちろん、排水口空間を設ける方法も使えます)。
以上から、(4)ではプールの話をしているので、「排水口開放」では駄目で「排水口空間」とする必要があります。
(5)は正しいです。即時排水型ビルピット設備は、その名の通り、排水を溜めずにすぐに排水するので、排水槽の悪臭防止に有効となります。
以上から、正解は(4)です。
コメント