ビル管理士試験 2024年 問130 問題と解説

 問 題     

排水槽と排水ポンプに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 排水槽の底の勾配は、吸込みピットに向かって1/15とする。
  2. 排水槽内は、ブロワによってばっ気すると正圧になるので排気を行う。
  3. 厨房(ちゅうぼう)用排水槽から排水を排除するには、汚水ポンプを用いる。
  4. 排水水中ポンプは、排水槽の吸込みピットの壁面から200mm以上離して設置する。
  5. 排水槽のマンホールは、排水水中ポンプ又はフート弁の直上に設置する。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

(1)は正しいです。排水槽の底部の勾配は、吸込みピットに向かって「1/15以上1/10以下」とします。これは頻出事項なので、正確な数値を押さえておきたいです。今回は「1/15」であり、この範囲に収まっているので適切な記述だと判断できます。

(2)も正しいです。排水槽にブロワを設置してばっ気すると、槽内に空気が送り込まれることで槽内が正圧となります。その分、槽外への排気が必要となります。

(3)が誤りです。排水ポンプには、大きく分けて以下の3種類があります。これは重要事項として押さえておいてください。

  • 汚水ポンプ :固形物がほとんどない排水用 (例:雨水)
  • 雑排水ポンプ:固形物が小さい場合の排水用 (例:厨房以外の雑排水)
  • 汚物ポンプ :固形物が大きい場合の排水用 (例:厨房用排水、トイレの汚水)

厨房用排水には大きな固形物が含まれていることが多いので、汚物ポンプを使わなくてはいけません。よって、(3)の「汚水ポンプ」が誤りで、正しくは「汚物ポンプ」となります。

(4)は正しいです。排水水中ポンプは、吸込みピットの壁面に近すぎると、空気や異物を吸い込みやすくなります。そのため、壁面から「200mm以上」離して設置します。これはたびたび出題される文章なので、数値を正確に覚えておきたいところです。

(5)も正しいです。マンホールとポンプなどの位置がずれていると、マンホールを開けてもポンプの状態を確認したり、ポンプを引き上げたりすることが難しいです。そのため、排水槽のマンホールは、排水水中ポンプまたはフート弁の直上に設置します。

以上から、正解は(3)です。

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