ビル管理士試験 2024年 問128 問題と解説

 問 題     

下水道に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 合流式とは、生活排水と工場排水を同一の管渠(かんきょ)系統で排除する方式をいう。
  2. 下水道は、流域下水道、公共下水道、都市下水路に分けられる。
  3. 下水道施設は、排水管渠、処理施設及びポンプ施設等から構成されている。
  4. 公共下水道の事業主体は、原則として市町村である。
  5. 排水水質のBODが基準値以上の場合には、除害施設を設置する必要がある。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

(1)が誤りです。これはやや難しい問題ですが、敷地内排水設備で合流式といえば、生活排水と工場排水を同じ系統で排水する方式を指します。一方、敷地内ではなく下水道で合流式といえば、汚水、雑排水、雨水を同一の管渠系統で排除する方式をいいます。

よって、今回は下水道での合流式の話をしているので、「生活排水と工場排水」が誤りで「汚水、雑排水、雨水」とするのが正しいです。

(2)は正しいですが、あまり気にしなくていいと思います。

(3)も正しいです。ときどき出題される文章ですが、誤りの選択肢にはなりにくいため、重要度は低いです。

(4)も正しいです。公共下水道の事業主体は、原則として市町村です。一方、流域下水道の事業主体は、原則として都道府県です。こちらが出題されることもあるため、併せて押さえておいてください。

流域下水道というのは、河川や湖などが複数の市町村をまたがっているとき、その水域の水質を保全するため、市町村の枠にとらわれず広域的に下水を処理する仕組みです。よって、その事業は一つの市町村単位で行えるものではないので、都道府県が主体となります。

(5)も正しいです。排水水質のBODや温度が基準値以上の場合には、そのままでは環境汚染につながるおそれがあるため、除害施設を設置する必要があります。

以上から、正解は(1)です。

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