ビル管理士試験 2024年 問118 問題と解説

 問 題     

給湯に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 給湯設備で扱う範囲の水は、ほとんど非圧縮性である。
  2. 配管内の水中における気体の溶解度は、水温が上昇すると減少する。
  3. 水中に溶存している空気は、配管内の圧力が低いと分離されにくい。
  4. 湯をポンプでくみ上げる場合、吸い上げることのできる高さは、温度が高いほど低くなる。
  5. 給湯設備で使用する金属材料は、水温が高いほど、腐食速度が速くなる。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

(1)は正しいです。極端な高圧・高温の水は別として、オフィスや家庭で日常的に使用する水やお湯は、いずれも非圧縮性の流体です。

(2)も正しいです。水に対する気体の溶解度は、水温が高いほど溶解度が減少します。炭酸のジュースを温めるとすぐに炭酸が抜けてしまうイメージを持てれば、覚えやすいかもしれません。

(3)が誤りです。水に対する気体の溶解度は、圧力が高いほど溶解度が増加します。押し込めばそれだけたくさん気体が水に入り込むイメージです(あくまでイメージ)。

配管内の水中に溶存している空気は少なければ少ないほど良い(リスクが小さい)ので、水と空気を分離させる必要があります。そのためには、配管内の圧力が低くすることが有効です。圧力が低いほど気体は溶解しにくくなるので、水と空気が分離されやすくなります。

よって、(3)の「水中に溶存している空気は、配管内の圧力が低いと分離されにくい」は誤りで、圧力が低ければ、むしろ分離されやすくなります。

(4)は正しいです。湯の温度が上がるほど飽和蒸気圧が高まるので、キャビテーションが生じやすくなります。その結果、ポンプで吸い上げることのできる高さは低くなります。

(5)も正しいです。一般的に、温度が高いほど金属の腐食反応速度も高くなります。

以上から、正解は(3)です。

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