問 題
給水設備における水質劣化の原因に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- スケールは、水の硬度成分によって生じ、配管の詰まりの原因となる。
- 赤水は、亜鉛めっき鋼管の給水配管で亜鉛層の防食効果が失われ、素地の鉄が腐食することによって生じる。
- スライム障害は、細菌類や藻類の増殖によって生じ、消毒効果の低下の原因となる。
- 白濁水は、亜鉛めっき鋼管の亜鉛の腐食生成物が水に混ざって白濁することによって生じる。
- トリハロメタンは、水槽内の水温の低下によって、その生成量が増加する傾向にある。
正解 (5)
解 説
(1)は正しいです。スケールは、水の硬度成分(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなど)が析出することによって生じるもので、配管の詰まりの原因となります。
(2)も正しいです。赤水は、給水管が錆びて鉄分が溶け出すことで生じる現象です。より具体的には、亜鉛めっき鋼管の給水配管で亜鉛層の防食効果が失われ、素地の鉄が腐食することによって生じます。
(3)も正しいです。スライム障害は、貯水槽や配管内で細菌類が繁殖し、バイオフィルムが形成されることによる水質劣化の現象です。これにより、消毒効果の低下につながります。
(4)も正しいです。白濁水が見られた場合、それは亜鉛が溶け出していると考えられます。特に給水管に亜鉛メッキ鋼管を使っている場合、その亜鉛が溶け出して白濁水を生じることがあります。
余談ですが、銅が溶け出した場合は、銅イオンの鮮やかな青色によって青水となります。銅が溶けると青色、亜鉛が溶けると白濁というのは頻出事項なので、ぜひ押さえておきたい知識です。
(5)が誤りです。トリハロメタンは、有機物質と消毒用塩素が反応して生成される物質です。水槽内の水温の上昇によって、その生成量が増加する傾向があります。
水温が高いほうが水が腐りやすく(化学反応が起こりやすく)、低温のほうが品質を保ちやすいことは感覚的にわかると思うので、仮に知識がなかったとしても(5)の記述が誤りだと見抜きたいところです。
以上から、正解は(5)となります。
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