ビル管理士試験 2024年 問103 問題と解説

 問 題     

建築基準法の用語に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 居室とは、居住、執務、作業等の目的に継続的に使用する室であり、階段や倉庫は含まれない。
  2. 主要構造部とは、建築物の構造上重要な部分である壁、柱、梁(はり)、床、屋根、階段をいい、基礎及び土台は含まれない。
  3. 延焼のおそれのある部分とは、隣地境界線等から一定距離内の外壁、軒裏、開口部等の部位を示すもので、その材質・構造の延焼し易さには無関係である。
  4. 耐火性能とは、通常の火災が終了するまでの間、建築物の倒壊・延焼を防止するために壁、柱、床等の建築物の部分に必要な性能である。
  5. 建築物とは、土地に定着する工作物であり、鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設も含まれる。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(1)は正しいです。居室とは、居住、執務等の目的のために継続的に使用する室のことで、階段、廊下、洗面所など、一時的な使用に供するものは含まれません。

(2)も正しいです。主要構造部は以下の6つです。これは頻出なのでぜひ覚えておいてください。

  1. はり
  2. 屋根
  3. 階段

今回は上記の知識だけで正誤を判定できますが、これには例外規定があり、その例外規定を知らないと正解できない問題も出題されます。例外規定についてはH30年 問105の解説を参照してください。

(3)も正しいです。「延焼のおそれのある部分」というのは、その建築物の近隣建築物のうち、一定距離内にある外壁、軒裏、開口部などの部位のことです。具体的には、1階なら3m以内、2階以上なら5m以内と決まっています(距離を覚える必要はありません)。

(4)も正しいです。耐火性能とは、通常の火災が終了するまでの間、建築物の倒壊・延焼を防止するために必要な性能のことです。

(5)が誤りです。建築物とは、土地に定着する工作物で、屋根と、柱もしくは壁を有するものをいいます。ただし、「鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設」は建築物には該当しないという規定があるため、(5)の後半が誤りとなります。

参考までに、建築基準法第2条1項の条文に書かれている「建築物」の定義を以下に記載します。

土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。

以上から、正解は(5)となります。

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