ビル管理士試験 2023年 問151 問題と解説

 問 題     

洗剤と床維持剤に関する語句の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

  1. フロアシーラ     物理的・化学的方法により、容易に除去できない
  2. フロアポリッシュ   ろう状物質
  3. 酸性洗剤       油汚れ
  4. 表面洗剤       中性又はアルカリ性
  5. アルカリ性の剥離剤  アミン

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

(1)は正しいです。フロア(床)をシールするのが「フロアシーラ」です。これは、目止め剤として使用し、床の保護と美観を向上するためのものであり、物理的・化学的方法により容易に除去できません。

(2)も正しいです。フロアポリッシュは床の保護と美観の向上の目的で使用されるものです。これは大きく、水性フロアポリッシュ、油性フロアポリッシュ、乳化性フロアポリッシュの3種類に分かれます。

  • 水性フロアポリッシュ:ろう状物質や合成樹脂を水に溶解させ乳化したもの
  • 油性フロアポリッシュ:ろう状物質、合成樹脂などの不揮発性成分を揮発性溶剤に溶解または分散させたもの
  • 乳化性フロアポリッシュ:ろう状物質、合成樹脂などの不揮発性成分と有機溶剤を水に乳化させたもの

本問とは直接関係ありませんが、上記の3分類それぞれの特徴は頻出テーマなので、区別して覚えておきたいところです。いずれのフロアポリッシュも、上記の通り、ろう状物質を使用しています。

(3)が誤りです。酸性の強い洗剤は、尿石や水あかなどの汚れに強いという特徴があります。油汚れに対してはアルカリ性の洗剤のほうが向いています。

(4)は正しいです。表面洗剤は、樹脂床維持剤(樹脂ワックス)の皮膜を傷めないように、中性またはアルカリ性となっています。仮に酸性洗剤を使った場合、表面の皮膜が溶けてしまうおそれがあります。

(5)も正しいです。樹脂床維持剤の皮膜を除去するには、アルカリ性の剥離剤で皮膜を溶解させます。このアルカリ性剥離剤として、低級アミンを主剤とし、界面活性剤が添加されたものが使用されます。

アルカリ性の剥離剤-アミン」という関係はややマイナーな知識ですが、「剥離剤-アルカリ性」という関係は重要事項として、ぜひ押さえておいてください。

以上から、正解は(3)となります。

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