ビル管理士試験 2023年 問140 問題と解説

 問 題     

消火設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 消火器は、火災の初期発見段階での消火を目的としたものである。
  2. 泡消火設備は、消火薬剤による負触媒作用を主とした消火方法である。
  3. 不活性ガス消火設備は、不活性ガスの放出による酸素濃度の低下を主とした消火方法である。
  4. 閉鎖型スプリンクラ設備は、火災が発生した際に、スプリンクラヘッドが熱感知し、散水して初期消火するものである。
  5. 屋外消火栓には、消火栓弁、ホース、ノズルを内蔵した屋外消火栓箱型と、地下ピット格納型、地上スタンド型がある。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

(1)は正しいです。消火器は、火災の初期発見段階での消火に有効です。逆に言えば、ある程度火災が拡大している状態であれば、消火器では対処できないため、消火設備や公設消防隊を頼るのが無難です。

(2)が誤りです。泡消火設備は油火災を対象とした設備で、感知用スプリンクラーヘッドの火災感知または手動起動弁の開放により、泡ヘッドから泡が放出します。

この泡で油や燃焼物を覆うことにより、酸素の供給を断つことで消火します。また、泡消火設備の泡には冷却作用があるので、これも消火に寄与します。

一方、(2)に書かれている負触媒作用による消火は、ハロゲン化物消火設備です。燃焼の連鎖反応を抑制する目的でハロゲンを消火薬剤として用いる消火設備のことを、ハロゲン化物消火設備といいます。

(3)は正しいです。不活性ガス消火設備はその名の通り、不活性(=燃えない)ガスを吹き込むことで酸素濃度の低下させ、消火します。不活性ガスとして使われるのは、二酸化炭素、窒素、アルゴンです。

(4)も正しいです。閉鎖型スプリンクラ設備は、火災が発生した際に、スプリンクラヘッドが熱を感知したら自動的に散水して、初期消火を行います。

(5)も正しいですが、これはさほど重要な知識ではないので、あまり気にしなくてもいいと思います。

以上から、正解は(2)となります。

コメント