ビル管理士試験 2023年 問124 問題と解説

　問 題　　　　　

排水再利用設備の維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. スクリーンにおいては、汚物が堆積しないように適時除去する。
2. 流量調整槽においては、ポンプが正常に作動し、所定流量を保つよう調整する。
3. 活性炭処理装置においては、通水速度を適正に保持する。
4. ろ過装置においては、ろ材の洗浄が適切に行われていることを点検する。
5. 消毒槽においては、フロック形成状態が最良であることを確認する。

 

 

 

 

 

　解 説　　　　　

(1)は正しいです。スクリーンは、汚物やごみのような粒子状のものを除去するために使われます。これを維持するためには、汚物が堆積しないように適時除去することが必要です。

(2)も正しいです。流量調整槽は一定の水量を後段に送水する役割を果たすので、その維持管理として、ポンプが正常に作動し、所定流量を保つよう調整します。

(3)も正しいです。通水速度が早すぎると、活性炭への有機物の吸着性能が低下してしまいます。一方で、通水速度が遅すぎると処理に時間がかかります。そのため、活性炭処理装置では、通水速度の適正な保持が重要です。

(4)も正しいです。ろ過装置のろ材が汚れていると、詰まりによって効率的な通水ができなくなります。よって、ろ材は定期的に洗浄することが求められます。

(5)が誤りです。消毒によってフロックが形成されるわけではないので、消毒槽でフロック形成状態を確認するのは不適当です。

フロックが形成されるのは生物処理槽なので、フロック形成状態が最良であることを確認するのは「生物処理槽」で行います。

また、消毒槽では塩素によって菌などを殺菌し、沈殿除去します。そのため、消毒槽の維持管理としては、「沈殿物の生成状況の確認」や「消毒の状況の確認」などが挙げられます。

以上から、正解は(5)となります。