問 題
建築物の電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 実効値100Vの交流電圧は、ピーク時の電圧が約140Vである。
- 受変電設備の変圧器容量は、建築物内部の電気設備の負荷の合計値以上とするのが一般的である。
- 電線の配電距離が長くなると、電圧の低下を招く。
- 磁束密度は、電流の強さとコイルの巻き数との積に比例する。
- 建築物の設備機械の動力は、三相誘導電動機を多く利用している。
正解 (2)
解 説
(1)は正しいです。交流電圧では、ピーク時の電圧は実効値の電圧の√2倍の値となります。√2=1.414…なので、実効値が100[V]なら、ピーク時の電圧は約140[V]といえます。
(2)が誤りです。受変電設備の変圧器容量が建築物内部の電気設備の負荷の合計値以上であれば間違いありませんが、実際にはこれはやり過ぎ(ぜいたく過ぎ)で、もっと小さな値にするのが一般的です。
というのも、現実的に考えて、建築物内部の電気設備を全て同時にフル稼働させることはあり得ません。そのため、同時に稼働し得る割合(=利用率)を調べ、それが全負荷の60%くらいであれば、受変電設備の変圧器容量は全負荷の70%とか75%とかで足りるだろう…というように決めていきます。
つまり、受変電設備の変圧器容量は、建築物内部の電気設備の負荷合計に利用率を乗じて求めるのが一般的です。
(3)は正しいです。電線にもわずかに抵抗があるため、電線の配電距離が長くなると、その分の線路抵抗によって電圧が少しずつ低下していきます。
(4)も正しいです。磁束密度B[T](テスラ)は、電流の強さI[A](アンペア)とコイルの巻き数Nとの積に比例します。これは電気の分野では基礎事項ですが、ビル管理士試験ではややマイナーな知識といえます。
(5)も正しいです。記述の通り、建築物の設備機械の動力は三相誘導電動機が多いです。これも(4)と同様、電気・機械の分野では基礎事項ですが、試験対策としてはあまり重要ではありません。
以上から、正解は(2)となります。
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