ビル管理士試験 2023年 問90 問題と解説

 問 題     

空気調和設備におけるコミッショニングに関連する用語として、該当しないものは次のうちどれか。

  1. BEMS
  2. 性能検証
  3. BCP
  4. 運用最適化
  5. FPT

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

空気調和設備におけるコミッショニングは、かなり珍しい出題テーマだといえます。そのため、この設問はあまりこだわらずに捨て問題としてしまっても構わないと思います。

コミッショニングとは、「空気調和設備における性能検証」のことを指す言葉です。より具体的には、建築設備の品質向上、省エネルギー性能の向上、環境保全性能の向上などを目的とした性能検証のことをいいます。

(1)のBEMSは、Building Energy Management Systemの略で、「ビルエネルギー管理システム」と訳されます。よって、これは空気調和設備を含めた建築設備全般のエネルギー管理に関することなので、コミッショニングに関連する用語といえます。

(2)の性能検証は、まさに「空気調和設備における性能検証」であるコミッショニングに関連する用語です。

(3)のBCPは、Business Continuity Planningの頭文字をとったもので、「事業継続計画」と訳されます。災害などの異常事態が発生したときに、いかに事業を復旧・継続させるかをあらかじめ考え、対策しておくことを指す言葉です。

東日本大震災やコロナ禍などを経て、BCPの考え方が広く普及してきました。たとえば、停電で送電線からの電力供給が途切れたときに自分のビルを守るため、自家発電の導入する…といったことがBCPの例です。

これは「空気調和設備における性能検証」とは関連が薄いので、(3)がコミッショニングに関連する用語ではないものと判断できます。

(4)の運用最適化は、これにより効率的な空気調和を行えば、省エネルギーや環境保全につながるので、運用最適化はコミッショニングに関連する用語といえます。

(5)のFPTは特にマイナーなので気にしなくていいと思いますが、Functional Performance Testの略で、「機能性能試験」と訳されます。これも(2)の性能検証と同様、コミッショニングに深く関連する用語です。

以上から、正解は(3)となります。

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