ビル管理士試験 2023年 問66 問題と解説

 問 題     

冷凍機に用いられる冷媒とオゾン破壊係数(ODP)との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

  •  冷媒    オゾン破壊数
  1. R11 (CFC)    1
  2. R32 (HFC)    0.055
  3. R123 (HCFC)    0.02
  4. R717 (NH3)    0
  5. R744 (CO2)    0

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

この問題を解くには、フロン類の歴史を簡単に理解しておくとよいと思います。

フロン類の歴史的経緯としては、冷媒として使い勝手の良かったCFC(クロロフルオロカーボン)がオゾン層を破壊するとわかって、オゾン層をより破壊しにくいHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)にシフトしていきました。

それでもHCFCも少しはオゾン層を破壊するので、しばらくするとオゾン層の破壊に全く寄与しないHFC(ハイドロフルオロカーボン)が使われるようになりました。これは塩素(クロロ)を含んでいないため、オゾン層を破壊しません。

しかし、HFCはCO2とは比べ物にならないほど強力な温室効果ガスなので、これはこれで地球温暖化防止の観点から望ましくないので、最近はノンフロンかつ比較的温室効果の小さい物質(NH3やCO2)が増えてきています。

以上をまとめると、次のようになります。

  • CFC(クロロフルオロカーボン):強力なオゾン層破壊物質
  • HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン):CFCほどではないがオゾン層破壊物質
  • HFC(ハイドロフルオロカーボン):オゾン層破壊に寄与しない物質。ただし強力な温室効果ガス
  • ノンフロン(NH3やCO2):オゾン層破壊に寄与しない物質。温室効果もあまり高くない

よって、(2)のHFCはオゾン層破壊に寄与しない物質なので、オゾン破壊係数(ODP)は「0.055」ではなく「0」です。

以上から、正解は(2)となります。

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