ビル管理士試験 2023年 問50 問題と解説

 問 題     

熱放射に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 同一温度の物体間での放射に関し、物体の放射率と吸収率は等しい。
  2. 物体表面の太陽放射の吸収率(日射吸収率)は、必ずしも放射率と等しくならない。
  3. 簡略化した放射熱伝達式では、放射熱伝達率が用いられる。
  4. 常温物体から射出される電磁波は、波長が10μm付近の赤外線が主体である。
  5. 温度が0℃の固体表面は、放射率に関わらず熱放射していない。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(1)は正しいです。温度の異なる物体間では、温度の高い側が放射率が高く、温度の低い側が吸収率が高くなります。しかし、同一温度の物体間では、物体の放射率と吸収率が釣り合っているため、双方とも温度は上がりも下がりもしません。

(2)も正しいです。物体表面で太陽放射の一部が反射することもあるため、吸収率(日射吸収率)は必ずしも放射率と等しくはなりません。

(3)も正しいですが、これは出題頻度から見てマイナーな知識であるため、あまり気にしなくてもいいと思います。

(4)も正しいです。記述の通り、常温物体から射出される電磁波は、波長が10μm付近の赤外線が主体です。

(5)が誤りです。温度が0℃であっても、絶対零度(0K)ではないため、固体表面から熱放射しています。

以上から、正解は(5)となります。

コメント