ビル管理士試験 2023年 問3 問題と解説

 問 題     

建築物における衛生的環境の確保に関する法律(以下「建築物衛生法」という。)に基づく特定建築物の用途に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 興行場は、興行場法に基づく興行場をいう。
  2. 旅館は、旅館業法により許可を受けた施設に限られる。
  3. 学校は、学校教育法に基づく学校に限られる。
  4. 博物館は、博物館法に基づく博物館に限らない。
  5. 図書館は、図書館法に基づく図書館に限らない。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢にある興行場、旅館、学校、博物館、図書館などは、大雑把にいえばいずれも特定建築物となります。しかし、「博物館法に基づく博物館」と「建築物衛生法に基づく博物館」の定義は全く同一ではなく、博物館法から見ると博物館ではないけれど建築物衛生法では博物館扱いとなる施設などが存在します。

本問では、このように特定建築物になる範囲と各種の法律で定義している範囲が同じかどうかという点が問われています。出題頻度からいえばマイナーな知識といえるので、この問題は捨て問題にしてしまっても構わないと思います。

ただし、正解の選択肢を選ぶだけならさほど難しい問題ではなく、先に答えを示すと(3)の「学校」が正解となります。

学校教育法に規定されている学校というのは、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、特別支援学校、高専などです。一方、規定されていない学校としては、専修学校、各種学校などが挙げられます。

ここで、学校教育法に規定されている学校は特定建築物に該当します。また、学校教育法に規定されていない専修学校や各種学校も特定建築物となり得ます。

よって、「学校教育法に基づく学校」と「建築物衛生法に基づく学校」の定義は一致していないので、(3)の記述が誤りだと判断することができます。

余談ですが、学校教育法に規定されている学校の場合、延べ面積が8,000m2以上だと特定建築物となります。一方、規定されていない学校の場合、延べ面積が3,000m2以上で特定建築物となります。

ほかの選択肢について、(1)の興行場と(2)の旅館は、各法律と特定建築物の定義がぴったり一致し、(4)の博物館と(5)の図書館では両者の定義に差異があります。ただし、上記にも書いたように、これらはマイナーな話になるので、気にしなくていいと思います。

以上から、正解は(3)となります。

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