ビル管理士試験 2022年 問157 問題と解説

 問 題     

「建築物における衛生的環境の維持管理について(平成20年1月25日健発第0125001号)」における建築物環境衛生維持管理要領で示されている次の文章の(  )内に入る語句として、正しいものはどれか。

建築物内で発生する廃棄物の分別、収集、運搬及び貯留について、安全で衛生的かつ( ア )な方法により、速やかに処理すること。

( イ )は、分別ができるような環境を整備し、( ウ )へ分別を促すこと。また、収集・運搬用具は安全で衛生的に管理すること。

  •  ア    イ     ウ
  1. 効率的  所有者等  利用者
  2. 効率的  占有者等  事業者
  3. 効率的  占有者等  利用者
  4. 計画的  占有者等  事業者
  5. 計画的  所有者等  利用者

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

( ア )には「効率的」または「計画的」が入ります。どちらを入れても文章としては成り立ちますが、「衛生的かつ( ア )」とあることから、ここには「衛生的」と並列に並ぶ言葉が入ると考えることができます。

試しに( ア )に「効率的」を入れてみると、衛生という質的な面と効率という時間的な面の両面を考慮して…といったような、良い対比関係ができあがります。

一方、「計画的」について考えると、衛生面を考慮することも計画の一部であると考えることができます。つまり、計画の中に作業性や衛生面、コストなどが全て含まれるため、「衛生的」と「計画的」を並列に並べても対比にはなりません。

よって、( ア )には「効率的」を入れるのが正しいと判断できます。

( イ )に関して、所有者というのは、その土地や建物の所有権を持っている人のことで、占有者というのは、その場所を実際に使っている人のことです。

ここで、廃棄物の分別ができるような環境を整備するのは所有者等の責任で行うこととなります。

というのも、たとえばビルに廃棄物集積場所を設けることは、各テナントの占有者がやることではありません。実際に廃棄物を分別するのは占有者だとしても、そのための環境を整備することは所有者等に求められます。

よって、( イ )には「所有者等」が入ります。

( ウ )で、その建築物内で廃棄物を出すのは、事業者だったり来訪者だったり様々です。その全ての人に廃棄物を分別をしてもらう必要があるため、( ウ )には建築物の中で廃棄物を出す全ての人という意味で、「利用者」を入れるのが適切です。

以上から、( ア )は「効率的」、( イ )は「所有者等」、( ウ )は「利用者」となるため、正解は(1)です。

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