ビル管理士試験 2022年 問136 問題と解説

 問 題     

大便器回りの故障の現象とその原因との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

  1. 便器と床面の間が濡(ぬ)れる:フランジ部シール材の取り付けが不良である。
  2. 洗浄力が弱く、汚物が流れない:タンク内の止水位が高くなっている。
  3. 洗浄弁のハンドル部から漏水する:ハンドル部パッキン又は押し棒が摩耗してゆるんでいる。
  4. 吐水時間が長い:洗浄弁のピストンバルブのストレーナが詰まりかけている。
  5. 洗出し便器で、封水位が低い:便器に接続される汚水管の勾配の異常により、サイホン現象を起こしている。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

(1)は正しいです。正常時はフランジ部のシール材によって防水できていますが、シール材の取り付けが不良である場合、そこから水が漏れて便器と床面の間が濡れることになります。

(2)が誤りです。タンク内の止水位が高ければ、その分多くの水がタンク内に溜まるため、洗浄力は十分あるはずです。洗浄力が弱くて汚物が流れない原因として考えられるのは、タンク内の止水位が低くてタンク内の水量が少なくなってしまうことです。

よって、(2)の「止水位が高く」が誤りで、正しくは「止水位が低く」となります。

(3)は正しいです。ハンドル部パッキンや押し棒がぴったりくっついていれば水が漏れることはありませんが、ここがゆるんでいると漏水につながります。

(4)も正しいです。洗浄弁のピストンバルブのストレーナが詰まっていると水の流れが悪くなるので、一定量を吐水するのにかかる時間が長くなります。

(5)も正しいです。本来は便器には一定の水が溜まっているものですが、汚水管の勾配に異常があると、サイホン現象によって利用時でなくても便器から汚水管へ水が流れてしまい、封水位が低くなることがあります。

以上から、正解は(2)です。

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