問 題
排水通気設備の機器と配管に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 雑排水ポンプは、厨(ちゅう)房排水以外の雑排水を排除するのに用いる。
- 排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管は、その接続に可とう継手を用いる。
- 防水床用の排水トラップには、水抜き孔が設置されている。
- 排水用耐火二層管は、繊維モルタルによる外管と架橋ポリエチレン管による内管の組合せからなる。
- 排水トラップが組み込まれていない阻集器には、その出口側に排水トラップを設ける。
正解 (4)
解 説
この問題は、(1)と(5)以外の選択肢はややマイナーな知識が問われます。出題頻度からみても珍しい出題テーマといえるため、あまりこだわらずに捨て問題としてしまっても構わないと思います。ただし、その場合でも(1)と(5)は除いて、(2)~(4)の3択にはしたいところです。
(1)は正しいです。排水ポンプには、大きく分けて以下の3種類があります。これは重要事項として押さえておいてください。
- 汚水ポンプ :固形物がほとんどない排水用 (例:雨水)
- 雑排水ポンプ:固形物が小さい場合の排水用 (例:ちゅう房以外の雑排水)
- 汚物ポンプ :固形物が大きい場合の排水用 (例:ちゅう房用排水、トイレの汚水)
(2)も正しいです。排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管の接続には、排水鋼管用可とう継手が用いられます。
(3)も正しいです。防水床用の排水トラップには水抜き孔が設置されていて、ここから排水管へとつながっています。
(4)が誤りです。排水用耐火二層管は、耐火性に優れる繊維モルタルを外管とし、耐食性に優れる硬質ポリ塩化ビニル管を内管とした組合せで構成されます。よって、(4)の「架橋ポリエチレン管」が誤りで、正しくは「硬質ポリ塩化ビニル管」となります。
(5)は正しいです。阻集器とは、排水中の油分や固形分などを阻止・分離・収集するための設備です。こうして集めた油分や固形分を排水トラップで除去し、異物のなくなった排水を後段へと流します。
よって、順番としては「阻集器」→「排水トラップ」の順になるので、排水トラップは阻集器の出口側に付けることが求められます。
以上から、正解は(4)となります。
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