ビル管理士試験 2022年 問126 問題と解説

 問 題     

排水再利用設備として用いられる膜分離活性汚泥処理装置に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 分離膜としては、主に精密ろ過膜(MF)が用いられる。
  2. 膜モジュールを生物処理槽内に浸漬した、槽内浸漬型が一般的である。
  3. 膜分離活性汚泥処理装置の後段に沈殿槽を設ける。
  4. 処理水は消毒が必要である。
  5. 透過水量の低下を防止するため、定期的に膜の洗浄を行う。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

本問は、決して難しい問題ではありませんが、出題頻度から見ると珍しい設問だといえます。しかし、確固たる知識がなくても正解を選ぶことのできる問題なので、他の選択肢の正誤がはっきりしなくても(3)を選びたいところです。

(1)は正しいです。膜分離活性汚泥処理装置に用いられる分離膜は、精密ろ過膜(MF)です。これは数十nm~数μm程度の孔径の膜で、微生物や高分子有機化合物の高分子物質の除去に用いられるため、排水の処理に向いています。

(2)も正しいです。記述の通り、膜モジュールは一般的に生物処理槽内に浸漬されます。

(3)が誤りです。膜分離活性汚泥処理装置には、(1)の通り目の細かい精密ろ過膜(MF)を用いるので、その後段に沈殿槽を置いてもほとんど何も沈殿しません。沈殿槽は前段にも後段にも必要ないので、(3)は誤りの記述です。

(4)は正しいです。精密ろ過膜(MF)を通ったあとでも多少の微生物やウイルスが残っていると考えられるので、その処理水は消毒が必要となります。

(5)も正しいです。精密ろ過膜(MF)は目が細かいので詰まりやすいです。目が詰まると透過水量が低下するので、定期的な膜の洗浄が必要です。

以上から、正解は(3)となります。

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