ビル管理士試験 2022年 問105 問題と解説

 問 題     

建築物の管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. エネルギー管理において日報・月報などによる使用状態の「見える化」は、PDCAサイクルを実現するために必要な機能である。
  2. ファシリティマネージメントとは、企業・団体等が組織活動のために施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動のことである。
  3. 設備ライフサイクルとは、JISの生産管理用語によると「設備の製作、運用、保全」と定義されている。
  4. COP(成績係数)は、入力エネルギーに対して出力された熱量の割合を示し、1を超え得る。
  5. インターロックとは、誤操作や確認不足により不適正な手順による操作を防止する機能のことである。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

(1)は正しいです。これは基本的な内容で特に矛盾点もないため、わかりやすいと思います。

(2)も正しいです。ファシリティマネージメント(FM)は、コストと品質の最適化バランスを目的としているもので、「企業・団体等が組織活動のために施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動」と定義されています。

(3)が誤りです。設備管理のライフサイクルとは、「設備の計画、設計、製作、運用、保全をへて廃却又は再利用までを含めたすべての段階及び期間」と定義されています。

つまり、設備ライフサイクルは(3)の記述にあるようなメインの工程だけではなく、実際に作り始める前の計画や設計段階も含みますし、使い終わったあとの廃棄などの段階も含みます。

(4)は正しいです。COPはCoefficient Of Performanceの略で、「成績係数」と訳されます。冷暖房機器や冷凍機のエネルギー消費効率を示す係数です。ヒートポンプの原理を使えば入力エネルギー以上の出力が得られるので、COPは1を超えます。

(5)も正しいです。インターロックとは、誤操作や確認不足により不適正な手順による操作を防止する機能のことです。たとえば、電子レンジのドアを開けたまま温めようとしても動かないはずです。これは、ドアが閉まっていることが温めを行うためのインターロックになっているからです。

以上から、正解は(3)となります。

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