ビル管理士試験 2022年 問104 問題と解説

 問 題     

建築基準法及びその施行令に関する用語に該当する内容の組合せとして、正しいものは次のうちどれか。

  • 「建築物」に該当    「特殊建築物」に該当 「構造耐力上主要な部分」に該当
  1. 建築物に付属する門       事務所       柱  
  2. 鉄道線路敷地内の跨(こ)線橋   病院        屋根
  3. 屋根のない観覧場        学校        基礎
  4. 駅舎のプラットホーム上家    倉庫        壁
  5. 地下工作物内の施設       共同住宅      床

 

 

 

 

 

正解 (3) または (5)

 解 説     

本問の3つ目にある「構造耐力上主要な部分」を答えるのはやや難しいです。とはいえ、1つ目の「建築物」と2つ目の「特殊建築物」を正しく選べれば正解できるので、設問の難易度としては普通だと思います。

まず、建築基準法第2条1項の条文で「建築物」は以下のように定義されています。

土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。

これを正確に覚えていると得点できる問題もたまに出題されるので、余裕があれば押さえておきたい文章です。

よって、(1)の門、(3)の観覧場、(5)の地下施設は建築物に該当する一方で、(2)の跨線橋と(4)のプラットホーム上家は建築物ではありません。

続いて「特殊建築物」について考えますが、特殊建築物に該当するものはたくさんありすぎて覚えきれないと思います。むしろ、過去問を解いていく中で特殊建築物になっていない選択肢があれば、それを覚えたほうが早そうです。

たとえば、事務所や戸建住宅、消防署、警察署などが特殊建築物でない例として挙げられます。ここには載せませんが、特殊建築物に該当するものを覚えておきたい方は、H26年 問104の解説を参照してください。

よって、(1)の事務所が特殊建築物に該当しません。(2)~(5)はいずれも該当します。

最後の「構造耐力上主要な部分」はややマイナーなので、無理に覚えようとせず、気軽に解説を読んでください。

構造耐力上主要な部分は、文字からも連想できるように、建築物の自重や積載荷重、震動などを支えるものを指します。具体的には、基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材、床版、屋根版、横架材などが該当します。

よって、(1)~(5)のいずれも構造耐力上主要な部分といえます。

以上から、3種類全てが正しいのは(3)と(5)なので、正解は(3)または(5)となります。どちらを選んでも正解になりますが、本番でマークシートに2つマークするのはNGです。必ず1問につき1つしかマークしないでください。

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