ビル管理士試験 2021年 問157 問題と解説

 問 題     

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)に関する次の文章の(  )内に入る語句の組合せとして、最も適当なものはどれか。

1970年に制定された廃棄物処理法では、( ア )から規定していた汚物に加えて、新たに不要物の概念を導入して廃棄物を定義し産業廃棄物と一般廃棄物に分類するとともに、( イ )が新たに法の目的に追加された。

  •  ア      イ
  1. 環境面  生活環境の保全
  2. 衛生面  適正処理
  3. 衛生面  排出の抑制
  4. 衛生面  生活環境の保全
  5. 環境面  排出の抑制

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

廃棄物処理法が制定された1970年は、高度経済成長期(1955年~1973年)の真っ最中で、環境面が蔑ろにされている時代でした。しかし、四大公害病などもあり、人々の意識が経済成長だけでなく環境保全にも向いてきたため、この法律が制定されています。

ここで、( ア )には「環境面」か「衛生面」が入りますが、問題文の文脈を読むと、( ア )はもともと考慮されていて、この法律によって新たに( イ )の考え方を導入したということがわかります。

上記の通り、「環境面」はこのタイミングで新たに追加された考え方ですが、「衛生面」は人々の健康に直結するため、高度経済成長期よりももっと昔から考慮されていました。具体的には、1954年、汚物を衛生的に処理し、生活環境を清潔にすることを目的に清掃法が制定されています。

よって、汚物を規定したのは「衛生面」からなので、( ア )には「衛生面」が入ります。

( イ )に関して、この法律ができた経緯は解説の冒頭で示した通りなので、( イ )には環境保全に関する用語を入れる必要があります。

よって、選択肢の中で最もふさわしいのは「生活環境の保全」であると判断することができます。

ちなみに、適正処理については、1954年の清掃法ですでに規定されていました。また、排出の抑制については、1991年に廃棄物処理法が改正された際に条文に追加された考え方です。

以上より、( ア )には「衛生面」が、( イ )には「生活環境の保全」が入るので、正解は(4)となります。

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