ビル管理士試験 2021年 問139 問題と解説

 問 題     

浄化槽の単位装置として採用されているばっ気槽の点検項目として、最も不適当なものは次のうちどれか。

  1. ばっ気槽混合液浮遊物質濃度
  2. 溶存酸素濃度
  3. 空気供給量
  4. 30分間汚泥沈殿率
  5. 透視度

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

ばっ気槽では、空気を吹き込んで撹拌することで、槽内の活性汚泥中にいる好気性微生物が水質汚濁の原因物質を酸化分解します。

(1)で、ばっ気槽混合液浮遊物質濃度(MLSS:Mixed Liquor Suspended Solids)とは、ばっ気槽内の汚水中に浮遊している活性汚泥の濃度のことです。活性汚泥中の微生物量の指標の一つとして用いられます。これはばっ気と関係が深いので、(1)は点検項目と判断できます。

(2)と(3)で、解説の冒頭に示した通り、ばっ気には空気中の酸素を水中に取り込むことが不可欠です。よって、(3)の空気供給量も、(2)の水中の溶存酸素濃度も重要なパラメータといえます。そのため、(2)も(3)も正しい点検項目と判断できます。

(4)で、30分間汚泥沈殿率(SV30)は名前からわかる通り、30分間静置させたときに沈殿する活性汚泥の割合です。これもばっ気槽の適切な運用に対する重要な指標となるので、(4)も点検項目として正しいです。

残る(5)の透視度は、ばっ気槽の状態の良し悪しを判断するのにあまり使えません。よって、これが不適当な選択肢なので、正解は(5)となります。

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