ビル管理士試験 2021年 問82 問題と解説

　問 題　　　　　

揮発性有機化合物(VOCs)測定に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. VOCsの採取には、アクティブサンプリング法とパッシブサンプリング法がある。
2. 固相捕集・加熱脱着－GC/MS法では、前処理装置により脱着操作を行う。
3. 固相捕集・溶媒抽出－GC/MS法では、加熱脱着法に比べ、測定感度は落ちる。
4. TVOC(Total VOC)を測定する装置では、方式によらず各VOCに対して同じ感度である。
5. TVOCは、GC/MSによりヘキサンからヘキサデカンの範囲で検出したVOCsの合計である。

　解 説　　　　　

(1)は正しいです。前問のホルムアルデヒドのサンプリングと同様、VOCsのサンプリングの方法にはアクティブ法とパッシブ法があります。

(2)と(3)はともに正しいです。VOCsの測定法は主に2つあり、それらは選択肢にあるように「固相捕集・加熱脱着－GC/MS法」と「固相捕集・溶媒抽出－GC/MS法」です。

(4)と(5)に関して、TVOC(Total VOC)とは、沸点50℃のヘキサンから沸点260℃のヘキサデカンまでの様々なVOCsを合計したものです。よって、(5)は正しいです。

測定の仕方はいくつかあり、簡易に定量できる市販のTVOCモニタなどもありますが、方式によっては各VOCで感度に差が出るものもあります。よって、(4)の記述が誤りです。

以上から、正解は(4)となります。