ビル管理士試験 2021年 問68 問題と解説

 問 題     

熱源方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. ヒートポンプ方式は、1台で温熱源と冷熱源を兼ねることができる。
  2. 蓄熱システムにおける顕熱利用蓄熱体として、氷、無機水和塩類が用いられる。
  3. ヒートポンプ方式は、地下水や工場排熱等の未利用エネルギーも活用することができる。
  4. 太陽熱を利用した空調熱源システムは、安定的なエネルギー供給が難しい。
  5. 吸収式冷凍機+蒸気ボイラ方式は、空調以外に高圧蒸気を使用する用途の建物で用いられることが多い。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

(2)に関して、潜熱と顕熱については、温度変化を伴う熱が顕熱、状態変化のように温度変化のない熱が潜熱です。

蓄熱システムでは顕熱も潜熱も利用していますが、顕熱は温度変化を伴う熱なので、その蓄熱体は多くの場合、水です。また、問61に出てきた躯体蓄熱システムの場合は躯体のコンクリートなども蓄熱体となります。

一方、潜熱は温度変化がなく状態変化によるような熱なので、その蓄熱体には氷、無機水和塩類が用いられることが多いです。

ここで(2)の文章を確認すると、「顕熱利用蓄熱体として、氷、無機水和塩類」とありますが、氷などは潜熱利用蓄熱体です。よって、これが誤りの記述なので、正解は(2)です。

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