ビル管理士試験 2021年 問4 問題と解説

 問 題     

建築物衛生法における特定建築物の特定用途に供される部分として、延べ面積に含めるものは次のうちどれか。

  1. 地下街の地下道
  2. 建築物の地下に電気事業者が設置した変電所
  3. 建築物内部にある鉄道のプラットホーム
  4. 地下街の店舗に付属する倉庫
  5. 建築物の地下に設置された、管理主体の異なる公共駐車場

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

特定用途に供される部分の延べ面積というのは、以下の面積の合計です。

  • 専ら特定用途に供される部分 (特定用途そのものの面積)
  • 付随する部分の面積 (例:トイレ、廊下、階段、洗面所など)
  • 付属する部分の面積 (例:百貨店の倉庫、映画館のロビー、事務所附属の駐車場など)

以上を踏まえて、選択肢を見ていきます。

(1)で、建築基準法では、地下道はそもそも「建築物」とされません。特定かどうか以前の問題です。よって、これは延べ面積に含めません。

(2)で、変電所は不特定多数の人が出入りする場所ではないので、特定用途ではありません。また、付随や付属とも言い難い独立した設備なので、これは延べ面積には含めません。

(3)で、プラットホームは(1)の地下道と同様、「建築物」と見なされません。よって、たとえプラットホームが建築物内部にあったとしても、この部分は建築物ではないので、延べ面積に含めません。

(4)で、店舗に付属する倉庫は「付属する部分の面積」なので、延べ面積に含めます。よって、これが正解です。ちなみに、独立した倉庫の場合は延べ面積に含めません。専ら特定用途に供される部分に付属しているときだけ面積に含めます。

(5)で、駐車場は特定用途に該当しません。また、公共駐車場のように駐車場そのものが独立した目的で使われる場合や、独立棟の駐車場のように別の場所にある場合には、付随や付属としても扱われません。よって、今回の場合は延べ面積に含めません。

ただし、駐車そのものが目的となる「公共駐車場」ではなく、「事務所附属の駐車場」のような場合には、同じ建物内にある限りは事務所の用途に包含されていると見なされ、付属する部分の面積に含めることになります。

以上から、正解は(4)となります。

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