ビル管理士試験 2020年 問158 問題と解説

 問 題     

廃棄物の処理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 一般廃棄物について市町村は、一般廃棄物処理計画に従い清掃事業として処理を行う。
  2. 産業廃棄物を含めた事業系廃棄物は、事業者が処理する。
  3. 廃棄物の中間処理に当たっては、大気汚染、水質汚濁、悪臭等が生じないよう排ガスや排水の処理を行わなければならない。
  4. 一般廃棄物の埋立処分は、管理型最終処分場に埋め立てなければならない。
  5. 産業廃棄物のうち、有害物質を含まない汚泥は、安定型最終処分場に埋め立てられる。

 

 

 

 

 

正解 (4) または (5)

 解 説     

この問題は正解が2つあります。本来的には(5)を正解として出題したものと見られますが、(4)もこのままの書き方では不適当な文章といえるため、これも正解扱いとなっています。

問題文にも「最も不適当なものはどれか」とあるので、本番でこのような問題に出会った際には、より明らかに不適当なほうを選んだほうが安全だと思います。ちなみに、どのような場合であっても、マークシートに2つマークするのはNGです。

(4)と(5)に関して、産業廃棄物の最終処分場には、以下の3種類があります。

  1. 遮断型最終処分場:
    有害物質を含む廃棄物の処分場。厚いコンクリートなどで周りから完全に遮断することで、外部に悪影響を与えないようにしています。
  2. 安定型最終処分場:
    すでに安定していて環境に影響を与えない廃棄物の処分場。安定5品目(廃プラスチック類・金属くず・ガラス陶磁器くず・ゴムくず・がれき類)のみを廃棄することができ、そのほかの産業廃棄物は扱いません。
  3. 管理型最終処分場:
    上記2つ以外の産業廃棄物の処分場。有害性は低いですが、雨が降った際の浸出水などが外部に漏れないような遮水処置がなされ、水質検査や汚水処理などによって管理しています。

ここで(4)を見ると「一般廃棄物」の話をしています。一般廃棄物については上記のような区分けはありません。よって、(4)の文章は誤りの記述となります。

しかし、一般廃棄物の最終処分場は、産業廃棄物でいうところの管理型処分場と同等の構造をしています。そのため、(4)の記述は誤りですが、管理型最終処分場相当の場所に埋めているのも事実です。

続いて(5)に関して、上記の分類を読むとわかる通り、今回は有害物質を含まないので「遮断型最終処分場」ではなく、安定5品目(廃プラスチック類・金属くず・ガラス陶磁器くず・ゴムくず・がれき類)に汚泥は含まれないので、「安定型最終処分場」でもありません。

よって、有害物質を含まない汚泥は「管理型最終処分場」に埋め立てられます。

以上から、この問題は(4)と(5)のいずれかを選べば正解となります。

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