ビル管理士試験 2020年 問124 問題と解説

 問 題     

雨水利用設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 雨水の集水場所は、原則として建築物の屋根面とする。
  2. 雨水処理において、生物処理法が用いられる。
  3. 雨水利用率とは、雨水集水量に対する雨水利用量の割合である。
  4. 雨水処理において、消毒装置は雨水貯留槽の下流側に設置する。
  5. 雨水貯留槽に流入する立て管には、豪雨時の満水対策として、緊急停止弁などを設ける。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

(2)に関して、雨水は生活排水や工場排水などと違って比較的きれいな水といえます。よって、雨水利用する際にも生物処理法などのしっかりした処理を施す必要はありません。簡単にいうと、雨水に混入した葉や砂、塵(ちり)などを除去した上で消毒を行うくらいで充分です。

よって、(2)の記述が誤りです。

この問題の補足として、以下に雨水利用設備のフローについてもう少し詳しく紹介します(以下の工程は一例で、もっと工程を増やしたり、減らしたり、変えたりする場合もあります)。

  1. 集水装置 :屋根や屋上などに降った雨を1カ所(または数カ所)に集めます。
  2. スクリーン:スクリーンに雨水を通すことで、小石などの固形物を取り除きます。
  3. 沈砂槽  :スクリーンを通過した小さな固形物(砂)を沈めるための槽です。
  4. 沈殿槽  :沈砂槽と同じような槽です。沈砂槽と合わせて2段階処理とすることで、より多くの粒子を沈殿させることができます。
  5. 雨水貯留槽:固形物を取り切った雨水を溜めておく槽です。
  6. 消毒装置 :ここで微生物を殺菌したら、雨水が利用できる状態になります。
  7. 雑用水槽 :利用可能となった雨水を溜めておく槽です。

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