電験三種 R6年度上期 理論 問9 問題と解説

 問 題     

次式に示す電圧e[V]及び電流i[A]による電力の値[kW]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 0.95
  2. 1.08
  3. 1.16
  4. 1.29
  5. 1.34

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

交流の場合、電圧や電流の波形はsinカーブを描き、それらの値が刻一刻と変動します。sinθ自体は最大値が1なので、sinθの直前に付いている数値(係数)が、その電圧値や電流値の最大値になります。そして、その最大値を√2で割った数値を実効値と呼び、交流の電力を求める際にはこの実効値を用います。

また、問題文に書かれている電圧eと電流iはそれぞれ2つ項から構成されていて、どちらも1項目は各周波数がω、2項目は3ωになっていることが読み取れます。これは、ひずみ波交流の基本波と第3調波を表しており、このような場合は基本波と第3調波を分けて電力を計算する必要があります。

つまり、問われている電力は次のような式で表すことができます。

  • P、P’:基本波または第3調波の電力 [W]
  • E、E’:基本波または第3調波の電圧の実効値 [V]
  • A、A’:基本波または第3調波の電流の実効値 [A]
  • θ、θ’:EとAまたはE’とA’の位相差

上で示した(1)式に具体的な数値を入れて以下のように計算を進めることで、問われている電力を求めることができます。

よって、正解は(2)となります。

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