電験三種 R6年度上期 理論 問8 問題と解説

 問 題     

図のように、二つのLC直列共振回路A、Bがあり、それぞれの共振周波数がfA[Hz]、fB[Hz]である。これらA、Bをさらに直列に接続した場合、全体としての共振周波数がfAB[Hz]になった。

fA、fB及びfABの大小関係として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. fA  < fB  < fAB
  2. fA  < fAB < fB
  3. fB  < fAB < fA
  4. fAB < fA  < fB
  5. fAB < fB  < fA

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

LC直列共振回路では、コイルのリアクタンスとコンデンサのリアクタンスが同じ大きさ(符号は反対)になります。よって、共振周波数fA、fBはそれぞれ次のように計算することができます。

また、回路Aと回路Bの直列接続では、コイルのインダクタンスは単純に和で求められるので今回はL+2L=3Lとなり、コンデンサの静電容量は逆数の和が静電容量の和になるので、(1/C)+(1/C)=(2/C)より、合成した値はC/2となります。よって、共振周波数fABは次のように計算できます。

以上から、3つの共振周波数を比べると、分母のLCの係数がfA、fB、fABの順に1、2、1.5であり、分母が大きいほど全体は小さくなるので、共振周波数の大小関係は「fB<fAB<fA」となります。

よって、正解は(3)です。

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