電験三種 R6年度上期 機械 問3 問題と解説

 問 題     

次の文章は、三相の誘導機に関する記述である。

固定子の励磁電流による同期速度の( ア )と回転子との速度の差(相対速度)によって回転子に電圧が発生し、その電圧によって回転子に電流が流れる。

トルクは回転子の電流と磁束とで発生するので、トルク特性を制御するため、巻線形誘導機では回転子巻線の回路をブラシと( イ )で外部に引き出して二次抵抗値を調整する方式が用いられる。

回転子の回転速度が停止(滑りs=1)から同期速度(滑りs=0)の間、すなわち、1>s>0の運転状態では、磁束を介して回転子の回転方向にトルクが発生するので誘導機は( ウ )となる。

回転子の速度が同期速度より高速の場合、磁束を介して回転子の回転方向とは逆の方向にトルクが発生し、誘導機は( エ )となる。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  •  (ア)      (イ)     (ウ)   (エ)
  1. 交番磁界  スリップリング  電動機  発電機
  2. 交番磁界  整流子      発電機  電動機
  3. 回転磁界  スリップリング  電動機  発電機
  4. 回転磁界  スリップリング  発電機  電動機
  5. 交番磁界  整流子      電動機  発電機

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

( ア )を含む文章に関して、三相誘導電動機は、回転磁界を作る固定子と、回転する回転子から構成されます。

固定子の励起電流による同期速度(回転磁界の速度)と、回転子との速度の差(=相対速度)によって回転子に電圧が発生し、その電圧によって回転子に電流が流れる、というのが誘導機の原理です。そのため、( ア )には「回転磁界」を入れるのが適切です。

( イ )を含む文章に関して、回転子は、巻線形回転子とかご形回転子との2種類に分類されます。

巻線形回転子では、回転子導体がスリップリング、ブラシを通じて外部抵抗に接続できるような構造になっています。外部抵抗の値を変えて二次電流を増減させることで特性制御を行っています。よって、( イ )は「スリップリング」となります。

一方、かご形回転子では、回転子溝に導体を納めて、棒状の導体の両端を端絡環に溶接(ろう付けでも可)した構造になっています。

続いて、( ウ )を含む文章に関して、回転子の回転速度が同期速度よりも遅ければ、磁束を介して回転子の回転方向にトルクが発生するので、誘導機は電動機として(つまり誘導電動機として)働きます。よって、( ウ )には「電動機」が入ります。

逆に、( エ )を含む文章に関して、回転子の回転速度が同期速度よりも遅ければ、磁束を介して回転子の回転方向にトルクが発生するので、誘導機は電動機として(つまり誘導電動機として)働きます。よって、( エ )には「発電機」が入ります。

以上から、

  • ア:回転磁界
  • イ:スリップリング
  • ウ:電動機
  • エ:発電機

となるので、正解は(3)です。

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