電験三種 R6年度上期 法規 問4 問題と解説

 問 題     

「電気設備技術基準の解釈」に基づく、高圧の機械器具(これに附属する高圧電線であってケーブル以外のものを含む。以下同じ。)の施設について、発電所、蓄電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所以外の場所において、高圧の機械器具を施設することができる場合として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 人が触れるおそれがないように、機械器具の周囲に適当なさく、へい等を設け、当該さく、へい等の高さと、当該さく、へい等から機械器具の充電部分までの距離との和を5m以上とし、かつ、危険である旨の表示をする場合
  2. 屋内であって、取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設する場合
  3. 工場等の構内において、機械器具の周囲に高圧用機械器具である旨の表示をする場合
  4. 機械器具をコンクリート製の箱又はD種接地工事を施した金属製の箱に収め、かつ、充電部分が露出しないように施設する場合
  5. 充電部分が露出しない機械器具を人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設けて施設する場合

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

高圧の機械器具を施設する際には、その危険性から、ある程度の制限があります。以下の7つの条件のいずれかに該当する場合、もしくは、発電所、変電所、開閉所でのみ施設が認められています。

  1. 機械器具の周囲に人が触れるおそれがないように適当なさく、へい等を設け、さく、へい等との高さとさく、へい等から充電部分までの距離との和を5m以上とし、かつ、危険である旨の表示をする場合。
  2. 機械器具(これに附属する電線にケーブル又は引下げ用高圧絶縁電線を使用するものに限る。)を地表上4.5m(市街地外においては4m)以上の高さに施設し、かつ、人が触れるおそれがないように施設する場合。
  3. 工場等の構内において、機械器具の周囲に人が触れるおそれがないように適当なさく、へい等を設ける場合。
  4. 機械器具を屋内の取扱者以外の者が出入りできないように設備した場所に施設する場合。
  5. 機械器具をコンクリート製の箱又はD種接地工事を施した金属製の箱に収め、かつ、充電部分が露出しないように施設する場合。
  6. 充電部分が露出しない機械器具に、簡易接触防護措置を施すこと。
  7. 充電部分が露出しない機械器具を温度上昇により又は故障の際にその近傍の大地との間に生ずる電位差により人もしくは家畜または他の工作物に危険のおそれがないように施設する場合。

以上を踏まえて選択肢を確認していきます。

(1)は、上記の1.に相当するので正しいです。

(2)は、上記の4.に相当するので正しいです。

(3)は、上記の3.と対応しますが、取扱者以外の者が高圧の機械器具に触れることがないような措置(さく、へい等)を取るべきところを、(3)の記述では表示するだけとなっています。これでは不十分なので、(3)の記述が誤りだと判断できます。

なお、本問のテーマ「高圧の機械器具の施設」は出題頻度が低いため、上記の7条件をきちんと押さえていない受験者の方も多いと思います。それでも、高圧の機械器具を施設するにあたって危険表示だけで良しとするはずがない…と考えて正解を選んでほしいところです。

(4)は、上記の5.に相当するので正しいです。

(5)は、上記の6.に対応し、この条件を満たすような措置をしているので正しいです。

以上から、正解は(3)となります。

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