電験三種 R6年度上期 電力 問12 問題と解説

 問 題     

図のように高低差のない支持点A、Bで、径間長Sの架空送電線において、架線の水平張力Tを調整してたるみDを10%小さくし、電線地上高を高くしたい。

この場合の水平張力の値として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、両側の鉄塔は十分な強度があるものとする。

  1. 0.92T
  2. 0.9T
  3. T/√0.9
  4. T/0.9
  5. T/0.92

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

電線のたるみに関する計算問題はたびたび出題されているので、以下の2つの式は公式としてぜひ覚えておきたいところです。一つは電線のたるみD[m]を求める式、もう一つは電線の長さL[m]を求める式です。

  • D:電線のたるみ [m]
  • w:荷重 (電線1mあたり) [N/m]
  • S:電線の支持物間の距離 (径間長) [m]
  • T:水平張力 (電線の水平方向) [N]

  • L:電線の長さ [m]

本問では上式のうち(1)式を使うことになります。

問題文で示されている径間長S、水平張力T、たるみDを使うと、上記で示した(1)式がそのまま成り立ちます。ここから、たるみを10%小さくして0.9Dにしたいので、変化後の水平張力T’は次の(3)式で表すことができます。

よって、(1)式を(3)式に代入してT’について解くと、求める答えを算出することができます。

以上から、正解は(4)となります。

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