電験三種 R6年度上期 電力 問6 問題と解説

 問 題     

次の文章は、ガス絶縁開閉装置(GIS)に関する記述である。

ガス絶縁開閉装置(GIS)は、金属容器に遮断器、断路器、母線などを収納し、絶縁耐力及び消弧能力の優れた( ア )を充填したもので、充電部を支持するスペーサなどの絶縁物には、主に( イ )が用いられる。

また、気中絶縁の設備に比べてGISには次のような特徴がある。

  1. コンパクトである。
  2. 充電部が密閉されており、安全性が高い。
  3. 大気中の汚染物等の影響を受けないため、信頼性が( ウ )。
  4. 内部事故時の復旧時間が( エ )。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  •   (ア)     (イ)     (ウ)  (エ)
  1. SF6ガス   エポキシ樹脂  低い  短い
  2. SF6ガス   エポキシ樹脂  高い  長い
  3. 窒素ガス  磁器がいし   低い  長い
  4. 窒素ガス  エポキシ樹脂  高い  短い
  5. SF6ガス   磁器がいし   高い  短い

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

( ア )で、ガス絶縁材料として広く使われている(試験で頻出である)のが、六ふっ化硫黄(SF6)ガスです。これは無色・無臭の気体で、不燃性のため火災の心配がなく、圧力を上げて使用することで高い絶縁耐力を得ることができます。よって、( ア )には「SF6ガス」が入ります。

( イ )で、ガス絶縁開閉装置(GIS)の充電部を支持するスペーサには、高い絶縁性能と成型性をもつエポキシ樹脂が用いられます。よって、( イ )には「エポキシ樹脂」が入ります。

( ウ )で、ガス絶縁開閉装置(GIS)は密閉構造であるため、大気中の塩害や塵埃、湿気などの影響をほとんど受けず、故障率を低減できます。つまり、信頼性が高いといえるので、( ウ )には「高い」が入ります。

( エ )で、ガス絶縁開閉装置(GIS)の内部で故障が起きた場合、ガスの回収や容器開放・点検・清掃などが必要で、復旧に時間がかかります。故障が起こりにくいのが長所である一方、故障したときに面倒なのが短所ともいえます。よって、( エ )には「長い」が入ります。

以上から、

  • ア:SF6ガス
  • イ:エポキシ樹脂
  • ウ:高い
  • エ:長い

となるので、正解は(2)です。

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