電験三種 R5年度下期 電力 問17 問題と解説

 問 題     

図のような単相3線式配電線路がある。系統の中間点に図のとおり負荷が接続されており、末端のAC間に太陽光発電設備が逆変換装置を介して接続されている。

各部の電圧及び電流が図に示された値であるとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

ただし、図示していないインピーダンスは無視するとともに、線路のインピーダンスは抵抗であり、負荷の力率は1、太陽光発電設備は発電出力電流(交流側)15A、力率1で一定とする。

(a) 図中の回路の空白箇所(ア)~(ウ)に流れる電流の値[A]の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  • (ア) (イ) (ウ)
  1.   5  0  15
  2.   5  5    0
  3. 15  0  15
  4. 20  5    0
  5. 20  5  15

(b) 図中AB間の端子電圧VABの値[V]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 104.0
  2. 104.5
  3. 105.0
  4. 105.5
  5. 106.0

 

 

 

 

 

正解 (a)-(2), (b)-(4)

 解 説    

(a)

(ア)は、上図の点Dの位置で考えると、右側から流れる15[A]と左側から流れる(ア)[A]が合わさって下側への20[A]となっているので、差し引きで(ア)は5[A]であることがわかります。

(イ)は、上図の点Eの位置で考えると、上側から20[A]が流れてきて、それが左側の(イ)[A]と下側の15[A]に分岐します。よって、差し引きで(イ)には5[A]の電流が流れます。ちなみに、右側の点Bのところは回路がつながっていないので、ここに電流は流れません。

(ウ)は、上図の点Fの位置で考えると、上側から15[A]が流れてきて、それが左側の(ウ)[A]と右側の15[A]に分岐します。よって、差し引きで(ウ)は0[A]となり、電流が流れないことがわかります。

以上から、

  • ア:5
  • イ:5
  • ウ:0

となるので、正解は(2)です。

(b)

上記において、最終的に求めたいのは点Aと点Bの電圧差VAB[V]ですが、最初の段階でわかっているのは、点Gと点Hの電圧差が105[V]ということです。

点Gを105[V]、点Hを0[V]としておくと、オームの法則を使うと、

  • 点D:105-5×0.1=104.5 [V]
  • 点E:0+5×0.1=0.5 [V]

となり、さらに、

  • 点A:104.5+15×0.1=106 [V]
  • 点B:点Eと同じなので、0.5 [V]

となります。点Bと点Eの間には電流が流れていない(回路になっていない)ため、この2点の電圧差はありません。

以上より、点Aと点Bの電圧差VAB[V]は、

VAB=106-0.5=105.5 [V]

と計算できます。

よって、正解は(4)です。

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