問 題
図のような単相3線式配電線路がある。系統の中間点に図のとおり負荷が接続されており、末端のAC間に太陽光発電設備が逆変換装置を介して接続されている。
各部の電圧及び電流が図に示された値であるとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、図示していないインピーダンスは無視するとともに、線路のインピーダンスは抵抗であり、負荷の力率は1、太陽光発電設備は発電出力電流(交流側)15A、力率1で一定とする。

(a) 図中の回路の空白箇所(ア)~(ウ)に流れる電流の値[A]の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (ア) (イ) (ウ)
- 5 0 15
- 5 5 0
- 15 0 15
- 20 5 0
- 20 5 15
(b) 図中AB間の端子電圧VABの値[V]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 104.0
- 104.5
- 105.0
- 105.5
- 106.0
解 説
(a)

(ア)は、上図の点Dの位置で考えると、右側から流れる15[A]と左側から流れる(ア)[A]が合わさって下側への20[A]となっているので、差し引きで(ア)は5[A]であることがわかります。
(イ)は、上図の点Eの位置で考えると、上側から20[A]が流れてきて、それが左側の(イ)[A]と下側の15[A]に分岐します。よって、差し引きで(イ)には5[A]の電流が流れます。ちなみに、右側の点Bのところは回路がつながっていないので、ここに電流は流れません。
(ウ)は、上図の点Fの位置で考えると、上側から15[A]が流れてきて、それが左側の(ウ)[A]と右側の15[A]に分岐します。よって、差し引きで(ウ)は0[A]となり、電流が流れないことがわかります。
以上から、
- ア:5
- イ:5
- ウ:0
となるので、正解は(2)です。
(b)

上記において、最終的に求めたいのは点Aと点Bの電圧差VAB[V]ですが、最初の段階でわかっているのは、点Gと点Hの電圧差が105[V]ということです。
点Gを105[V]、点Hを0[V]としておくと、オームの法則を使うと、
- 点D:105-5×0.1=104.5 [V]
- 点E:0+5×0.1=0.5 [V]
となり、さらに、
- 点A:104.5+15×0.1=106 [V]
- 点B:点Eと同じなので、0.5 [V]
となります。点Bと点Eの間には電流が流れていない(回路になっていない)ため、この2点の電圧差はありません。
以上より、点Aと点Bの電圧差VAB[V]は、
VAB=106-0.5=105.5 [V]
と計算できます。
よって、正解は(4)です。

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