電験三種 R5年度上期 法規 問11 問題と解説

 問 題     

ある事業所内におけるA工場及びB工場の、それぞれのある日の負荷曲線は図のようであった。それぞれの工場の設備容量が、A工場では400kW、B工場では700kWであるとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) A工場及びB工場を合わせた需要率の値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 54.5
  2. 56.8
  3. 63.6
  4. 89.3
  5. 90.4

(b) A工場及びB工場を合わせた総合負荷率の値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 56.8
  2. 63.6
  3. 78.1
  4. 89.3
  5. 91.6

 

 

 

 

 

正解 (a)-(3), (b)-(4)

 解 説    

(a)

設問(a)は需要率を求める問題ですが、需要率は以下の式で表されます。

分母の「設備容量の合計」は、A工場が400[kW]でB工場が700[kW]なので、その合計となります。

また、分子の「最大需要電力」は問題文のグラフから、AとBの和の中で最も大きい数値を採用します。つまり、下図の青字で示した中で最も大きな700[kW]となります。

よって、需要率は次のように計算できます。

以上から、正解は(3)となります。

(b)

設問(b)は負荷率を求める問題ですが、負荷率は以下の式で表されます。

ここで、「1日の最大需要電力」は設問(a)と同様なので700kWです。

また、「ある1日の平均需要電力」は、その日1日の実績の平均値を出せばよいので、次のように計算できます。

ちなみに、本来であれば(4)式のように計算するべきですが、今回はどの区間も時間帯が6時間と等間隔なので、そういうときは以下の(5)式のように、式を単純化して需要電力の平均を求めても大丈夫です。

以上より、負荷率は次のように計算できます。

よって、正解は(4)となります。

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