電験三種 R5年度上期 法規 問3 問題と解説

 問 題     

「電気設備技術基準」では、過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策について、次のように規定している。

( ア )の必要な箇所には、過電流による( イ )から電線及び電気機械器具を保護し、かつ、( ウ )の発生を防止できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  • (ア)   (イ)    (ウ)
  1. 幹線  過熱焼損  感電事故
  2. 配線  温度上昇  感電事故
  3. 電路  電磁力   変形
  4. 配線  温度上昇  火災
  5. 電路  過熱焼損  火災

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

本問は、「電気設備技術基準」第14条(過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策)からの出題です。この条文は以下の通りとなります。

電路の必要な箇所には、過電流による過熱焼損から電線及び電気機械器具を保護し、かつ、火災の発生を防止できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない。

( ア )について、問題文の冒頭で、この設問は「過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策」のことが書かれていることが示されています。

つまり、これは幹線や配線に限定した規定ではなく、もっと広い意味である電路に関する規定となります(ちなみに、電路の一種に配線があり、配線の一種に幹線があります)。

よって、( ア )には「電路」が入ります。

( イ )に関して、過電流遮断器とは、電線に流れる電流が大きくなり過ぎて許容値を超えたときに電流を自動的に遮断するための装置です。これがないと、過電流によって電線や電気機械器具が焼損してしまうおそれがあります。

よって、( イ )には「過熱焼損」が入ります。選択肢にある「温度上昇」でも意味は通りそうですが、過電流では大きなジュール熱が発生するため、温度上昇というマイルドな表現よりは、過熱焼損という激しい表現のほうが的確です。

( ウ )について、過電流によって電線や電気機械器具が焼損すると、周辺に引火して火災につながるリスクがあります。よって、火災の発生を防止するためにも過電流遮断器が必須となります。

よって、( ウ )には「火災」が入ります。選択肢にある「感電事故」や「変形」の防止は、過電流遮断器を設置する主目的ではありません。

以上から、

  1. 電路
  2. 過熱焼損
  3. 火災

となるので、正解は(5)です。

コメント