問 題
次に示す配電用機材(ア)~(エ)とそれに関係の深い語句(a)~(e)とを組み合わせたものとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (ア)-(c) (イ)-(d) (ウ)-(e) (エ)-(a)
- (ア)-(c) (イ)-(d) (ウ)-(a) (エ)-(e)
- (ア)-(c) (イ)-(d) (ウ)-(a) (エ)-(b)
- (ア)-(d) (イ)-(c) (ウ)-(a) (エ)-(b)
- (ア)-(d) (イ)-(c) (ウ)-(e) (エ)-(a)
解 説
(ア)に関して、避雷器には炭化けい素(SiC)素子や酸化亜鉛(ZnO)素子などが用いられますが、現在は性能面で勝る酸化亜鉛(ZnO)素子を用いた酸化亜鉛形避雷器が、電力設備や電気設備で広く用いられています。
これは、ギャップレス避雷器でも直列ギャップ付き避雷器でもいえることなので、(ア)の「ギャップレス避雷器」と関係の深い語句は、(c)の「酸化亜鉛(ZnO)」となります。
(イ)に関して、ガス開閉器によく用いられる気体は、六ふっ化硫黄(SF6)です。
SF6は無色無臭の気体で、無毒、不活性、不燃性で絶縁性に優れ、かつ安価という、開閉器に使うには非常に都合の良い物質です。さらにいえば、ガスが不活性かつ不燃であることから、安全性が高く、保守も容易です。
よって、(イ)の「ガス開閉器」と関係の深い語句は、(d)の「六ふっ化硫黄(SF6)」となります。
(ウ)に関して、CVケーブルは、Cross-linked polyethylene insulated Vinyl sheathed Cableの略で、架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルと訳されます(正式名称を覚える必要はありません)。高圧地中配電線路のケーブルとしてよく使われます。
ここで(ウ)の選択肢を見ると、(a)の水トリーと(e)のギャロッピングが候補となっています。
(a)の水トリーとは、高圧ケーブルの絶縁物である架橋ポリエチレンに発生する絶縁劣化現象です。水分や異物が絶縁体の中に浸透すると、樹枝状に亀裂が広がり、絶縁劣化が起こります。そして、さらに劣化が進むと絶縁破壊に至り、地絡事故などを引き起こす可能性があります。
(e)のギャロッピングとは、電線に雪や氷がくっついたところに風が吹いてきた際に起きる現象です。雪などによって電線が重くなっていることに加え風を受ける面積が大きくなっているため、その振動も大きくなります。電線の振動幅が大きいと、悪いときには電線同士が接触してショートすることもあります。
よって、(ウ)の「CVケーブル」と関係の深い語句は、(a)の「水トリー」となります。
(エ)に関して、変圧器はその効率が100%になることはなく、実際には損失が生じてしまいますが、その損失には大きく分けて無負荷損と負荷損の2種類があります。
無負荷損とは、負荷を掛けていても掛けていなくても生じてしまう一定量の損失のことで、主に鉄損がこれに当たります。無負荷損には様々な種類がありますが、電験三種を受ける上では、「無負荷損=鉄損」と考えて差し支えありません。
負荷損とは、負荷を掛けているときにだけ発生する損失のことで、主に銅損がこれに当たります。負荷損も無負荷損と同様にいくつかの種類がありますが、この試験においては「負荷損=銅損」という認識で大丈夫です。
(エ)の柱上変圧器も変圧器の一種なので、上記の鉄損や銅損が生じます。そのため、(エ)の「柱上変圧器」と関係の深い語句は、(b)の「鉄損」となります。
以上から、
- (c)
- (d)
- (a)
- (b)
となるので、正解は(3)です。
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