電験三種 R4年度下期 機械 問11 問題と解説

 問 題     

電動機で駆動するポンプを用いて、毎時80m3の水をパイプへ通して揚程40mの高さに持ち上げる。ポンプの効率は72%、電動機の効率は93%で、パイプの損失水頭は0.4mであり、他の損失水頭は無視できるものとする。

このとき必要な電動機入力[kW]の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、水の密度は1.00×103kg/m3、重力加速度は9.8m/s2とする。

  1. 0.013
  2. 0.787
  3. 4.83
  4. 13.1
  5. 80.4

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

まず、本問での揚程は40[m]ですが、パイプの損失水頭が0.4[m]あるので、実際には40.4[m]を揚げるだけのエネルギーが必要となります。

ここで、ポンプで揚水するというのは、電動機の出力を位置エネルギーに変えるということです。そのため、ポンプ出力Poは位置エネルギーの公式を使って以下のように表されます。

  • Po:ポンプ出力 [kW]
  • Q:流量 [m3/s]
  • g:重力加速度 9.8[m/s2]
  • H:全揚程 40.4[m]

これが揚水に必要なポンプ出力Poです。しかし、実際には諸々の損失が生じるため、電動機入力Pinはもっと大きな値が必要です。具体的には、電動機入力Pinに電動機の効率ηmを掛けると電動機出力となり、これにさらにポンプの効率ηpを掛けたものがポンプ出力Poとなるので、以下の等式が成り立ちます。

(1)式と(2)式より、問われている電動機入力Pinは次のように算出することができます。なお、水量Qの単位は[m3/s]なので、問題文の「毎時」を「毎秒」に変換するのを忘れないようにしてください。

よって、正解は(4)となります。

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