電験三種 R4年度下期 機械 問5 問題と解説

 問 題     

定格出力8000kV・A、定格電圧6600Vの三相同期発電機がある。この発電機の同期インピーダンスが4.73Ωのとき、短絡比の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 0.384
  2. 0.665
  3. 1.15
  4. 1.50
  5. 2.61

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

同期発電機の短絡比Ksは、定格電流に対する短絡電流の比で求めることができます。これは重要公式として押さえておきたい知識です(本来、短絡比の定義は別にありますが、式変換の結果こうなりますし、計算問題では以下の式を使います)。

  • Ks:短絡比
  • Is:短絡電流 [A]
  • In:定格電流 [A]

(1)式において、定格電流Inのほうは、問題文で与えられている定格出力Pn、定格電圧Vnを使うと次のように計算することができます。

続いて、短絡電流Isを求める方法について考えます。

同期発電機の同期インピーダンスZは、定格運転時の端子電圧Vnと短絡電流Isを用いて表すことができます。定格運転時、1相あたりの端子電圧はVn/√3[V]になるので、同期インピーダンスは以下の式の通りとなります。

  • Z:同期インピーダンス[Ω]
  • Vn:定格運転時の端子電圧[V]
  • Is:短絡電流[A]

よって、(3)式より、短絡電流Isは次のように算出できます。

以上から、(2)式と(4)式の結果を(1)式に代入して計算すれば、短絡比Ksを求めることができます。

よって、正解は(3)となります。

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