電験三種 R4年度下期 法規 問4 問題と解説

 問 題     

次の文章は、「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく電気供給のための電気設備の施設に関する記述である。

架空電線、架空電力保安通信線及び架空電車線は、( ア )又は( イ )による感電のおそれがなく、かつ、交通に支障を及ぼすおそれがない高さに施設しなければならない。

低圧架空電線又は高圧架空電線の高さは、道路(車両の往来がまれであるもの及び歩行の用にのみ供される部分を除く。)を横断する場合、路面上( ウ )m以上にしなければならない。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  • (ア)   (イ)   (ウ)
  1. 通電  アーク   6
  2. 接触  誘導作用  6
  3. 通電  誘導作用  5
  4. 接触  誘導作用  5
  5. 通電  アーク   5

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

( ア )と( イ )を含む文章に該当するのは「電気設備技術基準」第25条(架空電線等の高さ)1項、( ウ )を含む文章に該当するのは「電気設備の技術基準の解釈」第68条(低高圧架空電線の高さ)1項です。

( ア )で、選択肢には「通電」と「接触」がありますが、架空電線などは通電させて使うものであるので、通電によって感電しかねないような電線は論外です。このような場合、危険がない高さに施設するという話ではなく、そんな危ない電線を使うこと自体が禁止されています。

一方、実用的な電線であっても、接触すると感電するおそれがあります。それでは危ないので、架空電線などは直接触れることのできない高さに施設しましょう…というのが、この条文の趣旨となります。

よって、( ア )には「接触」が入ります。

( イ )で、送電線と誘電体(たとえば通信線や傘の金属部分など)との間には静電容量(キャパシタンス)がありますが、両者の距離が近くて静電容量が大きいときには、誘電体に電圧が生じ、通信障害や感電が起こります。この現象を、静電誘導障害といいます。

よって、選択肢から、( イ )には「誘導作用」を入れるのが適切であると判断できます。

( ウ )で、低圧架空電線や高圧架空電線の高さは、道路を横断する場合には「路面上6m以上」とする必要があります。

よって、( ウ )には「6」が入ります。

架空電線の高さの規定は、道路以外にも、歩道橋や鉄道などが出題されることもあります。低高圧架空電線の高さのページに表としてまとめているので、ぜひ確認しておいてください。

以上から、( ア )は「接触」、( イ )は「誘導作用」、( ウ )は「6」となるので、正解は(2)です。

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