電験三種 R4年度下期 法規 問2 問題と解説

 問 題     

電気設備の安全を確保するためには、「電気設備技術基準」への適合を確認する必要がある。「電気設備技術基準」に規定されているものとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 船舶の客室屋内配線
  2. 乾電池使用のEMS(電気的筋肉刺激器)
  3. 航空機に搭載される発電機
  4. 電気浴器
  5. 自動車の24Vオルタネータ(交流発電機)

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

「電気設備技術基準」は、電気事業法に基づいて電気工作物の技術基準を定めたものです。そのため、この設問では「電気設備技術基準に規定されているもの」が問われていますが、実質的には「電気工作物」を選ぶ問題となっています。


電気工作物とは、電気事業(発電、変電、送電、配電)または電気の使用のために設置するもので、以下にいずれかに該当するものです。

  • 機械
  • 器具
  • ダム
  • 水路
  • 貯水池
  • 電線路
  • その他の工作物

上記の「機械」や「器具」をもう少し具体的に表現するなら、発電所、発電機、変電所、変圧器、タービン、水車などが挙げられます。

また、上記のものが電気工作物に該当することを覚えるのも大事ですが、以下のものが電気工作物に該当しないという知識も大事です。

  • 船舶、車両、航空機に設置されるもの
  • 30[V]未満の電気的設備で、30[V]以上の電気的設備と電気的に接続されていないもの

船舶、車両、航空機に関しては、船舶安全法や道路運送車両法、鉄道事業法、航空法など別の法律の範ちゅうとなるため、電気事業法では取り扱わないこととしています。30[V]未満の電気的設備については、危険性が低いために規制の対象外となります。


以上を踏まえて、選択肢を確認していきます。

まず、(1)は船舶、(3)は航空機、(5)は車両に設置されるものなので、これらはいずれも電気工作物に該当しません。

また、(2)は乾電池使用ということから、せいぜい数ボルトであると考えるのが妥当です。そのため、これは「30[V]未満の電気的設備で、30[V]以上の電気的設備と電気的に接続されていないもの」に該当すると判断できるので、(2)も電気工作物ではありません。

一方、(4)の電気浴器は上記の「その他の工作物」に当てはまると考えられるため、正解は(4)となります。

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