電験三種 R4年度上期 電力 問9 問題と解説

 問 題     

送電線路のフェランチ効果に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 受電端電圧の方が送電端電圧よりも高くなる現象である。
  2. 短距離送電線路よりも、長距離送電線路の方が発生しやすい。
  3. 無負荷や軽負荷の場合よりも、負荷が重い場合に発生しやすい。
  4. フェランチ効果発生時の線路電流の位相は、電圧に対して進んでいる。
  5. 分路リアクトルの運転により防止している。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

フェランチ効果とは、(1)にあるように、受電端電圧のほうが送電端電圧よりも高くなる現象のことです。

この現象は、送電線に進み電流が流れることによって発生します。特に、長距離の送電線路において、非常に軽負荷(もしくは無負荷)のときに発生しやすいです。よって、(2)と(4)は正しいですが、(3)の記述は反対であることがわかります。

また、このフェランチ効果を軽減するためには進み電流をなくせば(あるいは減らせば)良いので、遅れ無効電力を与える(進み電流を打ち消す)分路リアクトルを用いるのが効果的です。よって、(5)も正しい記述です。

以上より、(3)の記述が誤りなので、正解は(3)となります。

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