電験三種 R3年 理論 問5 問題と解説

 問 題     

次の文章は、熱電対に関する記述である。

熱電対の二つの接合点に温度差を与えると、起電力が発生する。この現象を( ア )効果といい、このとき発生する起電力を( イ )起電力という。熱電対の接合点の温度の高いほうを( ウ )接点、低いほうを( エ )接点という。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  •   ア    イ   ウ  エ
  1. ゼーベック  熱   温  冷
  2. ゼーベック  熱   高  低
  3. ペルチェ   誘導  高  低
  4. ペルチェ   熱   温  冷
  5. ペルチェ   誘導  温  冷

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

( ア )の選択肢には「ゼーベック」と「ペルチェ」がありますが、これら二つの効果は、以下に示すようにちょうど反対の関係があります。

  • ゼーベック効果:熱電対の二つの接合点に温度差を与えると、起電力が発生するという現象。熱を電気に変換します。
  • ペルチェ効果:異なる二つ金属の接合点に電圧を掛けて電流を流すと、熱を放出または吸収するという現象。電気を熱に変換します。

よって、今回は温度差から起電力を生じているので、( ア )には「ゼーベック」を入れるのが適切です。

( イ )の選択肢には「熱」と「誘導」がありますが、ゼーベック効果は熱を利用して起電力を生んでいるので、この起電力を「熱起電力」といいます。よって、( イ )には「熱」が入ります。

ちなみに、誘導起電力は、前問のように電磁誘導によって生じる起電力のことをいいます。

( ウ )と( エ )について、熱電対の二つの接合点は「温接点」と「冷接点」と呼んで区別しています。よって、( ウ )には「温」を、( エ )には「冷」を入れるのが適切です。

以上から、( ア )は「ゼーベック」、( イ )は「熱」、( ウ )は「温」、( エ )は「冷」となるので、正解は(1)です。

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